ウクライナ停戦実現成るか
トランプ米大統領は、公約通りウクライナ停戦を目指してロシアと交渉を行っている。
それに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は、当事国ウクライナ抜きの交渉は容認できないと表明している。そして、停戦ではなくさらなる軍事支援が必要だとしている。
しかし、さらなる軍事支援はさらなる戦争長期化を意味するだけでしかないことは、自明である。
そもそも、この戦争はアメリカとロシアの代理戦争でしかない本質があるので、これの解決なくして停戦はあり得ない。
紛争開始当初、バイデン大統領はアメリカは派兵しないことを明言し、ロシアに安心してウクライナに攻め入ることを促した。そして援助を小出しにして核戦争の様な大規模な戦争にならないよう配慮しつつ戦争が長引くことを求めた。それをゼレンスキー大統領はそのストーリーを完全に受け入れた。直後にトルコで開かれた和平交渉ではほぼ停戦合意に至っていたことが分かっている。このホームページのNo140.「ウクライナ紛争で見えてきたこと」でも書いたが、ウクライナの交渉団の一人が銃殺されている。本気で停戦を受け入れたためであろう事は、容易に察しがつく。
戦争を継続するためには、自国民がどんなに死亡しても国土を守るという大義名分があるからこそ可能である。そのほか、援助の使い道は自由であるから、すべてが戦争に充当されるわけではないという一面がある。特に政権の腐敗はウクライナは先進国の内では特にひどいということは、衆知の事実である。また、最近の報道に寄れば、アメリカの対外援助組織のUSAIDからのウクライナ援助が巨額に上っており、それが何に使われていたかは、ほとんど分かっていないばかりか、全額が実際にウクライナに渡った訳でもないことが判明している。それは、国家効率化省のイーロンマスクチームが暴いている。
これらの構造を理解していたトランプ大統領は、大統領選前から、ディープステートとの戦いを公約にかかげていた。いわゆる軍産複合体である。
アメリカは第二次世界大戦以降も、ベトナム、イラク、アフガニスタンなど、常に戦争を作り出してきた。自由主義を守る、大量破壊兵器を許さないなどの大義名分をかかげてはいるが、それが見つからないときは、9.11テロまで演出して戦争を行ってきた。
したがって、ウクライナを停戦するためには、それをロシアに提示すれば良いのであって、ウクライナの頭越しで全く問題ないのである。ゼレンスキー大統領も十分分かっていながら反対しているのは、この戦争をずっと続けたいためであろう。ヨーロッパも似たり寄ったりである。
最近トランプ大統領が、これまでの支援の見返りにウクライナのレアメタル採掘権50%を要求していることを、氏の独特のディールと捉える向きがもっぱらであるが、私は違うと思う。それはその多くがドネツク州に分布しており、現在ロシアが占領している地域である。したがって、ウクライナと言うよりむしろ、ロシアと交渉すべきことであるはずである。それを足がかりに停戦を実現しようとしているように見える。ゼレンスキー大統領は当初容認していたにもかかわらず、否認に転じたのは、本当に停戦になることを怖れたためと推察できる。トランプ政権は既得権益、ディープステート、さらにはグローバリズムとの戦いを開始したのだ。WHO脱退、気候変動対策パリ合意脱退、電気自動車推進停止、国内原油掘削開始 (掘って、掘って、掘りまくれ(drill baby drill)など枚挙にいとまがない。本来電気自動車テスラのCEOでもあるイーロンマスク氏が、その戦いの先端で活躍している事は、自己矛盾にも見えるが、どうやら、そんな小さな事ではなく、地球規模の改革を目指しているように見える。ビル.ゲイツとは大違いである。
最後に最重要なことは、両氏が暗殺されないことを祈るばかりである。この間は危なかった。