兵庫県知事選挙

兵庫県知事選挙が大きな話題を呼んだ。パワハラを行った知事を県議会が不信任案を全会一致で可決して、知事を辞職に追い込んだ。

その後、知事選挙に再立候補して、大差で再任を果たしたということである。

マスコミ報道では、ネットで、「NHKから国民を守る党」代表の立花孝志らが知事のパワハラはなかったなどと応援し、それを県民らが信じた結果だと報じられていた。

パワハラを行ったとして、公表していた社員は三か月の停職処分を受けたばかりか、その後自殺していたため、あまりにひどいと知事の責任を追及するために、百条委員会を開催して、激しく知事の責任を追及していたが、知事はパワハラを認めなかったため、不信任案を可決して、辞職に追い込んだのであった。

以上の顛末だけから判断すると、なんてひどい知事かということになるが、ネットで立花氏が綴ったのは、百条委員会の内容とか、パワハラを公表した職員の業務に使用していたパソコンの中身であった。そこには、知事の失脚を目的にクーデターを計画していた内容とか、県職員の複数と不倫をしていたことなどがあった。

そして何より重要なことは、パワハラにあったという当事者はパワハラを受けたとは証言していないことである。にもかかわらず、百条委員会では、竹内委員が、これをパワハラといわずには済まない、と激しく詰め寄る様子が公開されている。

クーデター計画や、不倫内容がばれてしまっては、とてもじゃないが責任はとれないとして自殺した可能性が否定できない。ところが、百条委員会ではこれらを隠ぺいした。それはプライバシーにかかわるからだというのだ。ところが、その隠ぺいの音声録音を、こっそり立花氏に漏らした人がいたのだ。全会一致とはいっても、どうしても真実を曲げることを許せない人がいたということである。また、兵庫県内の22市の市長が連名で、斎藤知事の対抗馬の支持を表明していたため、県庁内ばかりか県全体の大きなうねりのなかで、真実を完全に密封されていたのであった。そこへ、立花氏が表県知事立候補という形で参戦したが、当初から、知事になるためではなく、実態を暴くためだと表明していたのであった。

立候補するためには300万円の保証金を納める必要があるので、単なる正義感でできることではない。そのお金は、あの有名な武田塾の創始者、林 尚弘氏が支出したのであった。氏は一連の成り行きを見ていて、どうしても真実を追求したかったと、演説していた。

それにしても、そもそもなぜ斎藤知事はそんなに嫌われたのかについて、ネットではいろいろ憶測が流れているが、どうも、知事は改革派らしく、1500億円にも上る県庁舎建て替え計画の見直しや、80歳を超える県職員の天下り先で4000万円もの年収を得ている実態などの見直しを考えていたということが、既得権益者らの反発をうけたのではないかというものもあった。しかしいずれも憶測でしかない。百条委員会は引き続き知事のパワハラを追及してゆくとしている。

しかし、その百条委員会で激しく追及していた竹内委員は知事再選の翌日、突如、議員辞職してしまった。一身上の理由だそうである。誰が考えても、戦いに敗れた結果責任をとったものであったことに間違いないと思う。

パワハラを公表した職員、百条委員会で激しく追及していた議員、いずれも個人の判断だけであったとはとても思えない。