ギターミニコンサートを終えて
本日7月4日、予定通り年一回の所属するギタークラブ「アルファンブラ」の発表会が開催された。
私はこのクラブに入部して10年そこそこであるが、昭和49年からと言うから50年ほどの歴史を持っている。
それほど長続きするにはそれなりに理由がある。それは、指導の先生と幹事さんが設立当初から変わっていないという、ほかでは見られない特殊事情があるからだと思う。
先生は日本ギタリスト協会所属の、三本木ハマ子先生、そして常任幹事は須賀京子さん。
一年に一回、クラブ独自の発表会を開催している。クラブ総員は7名と小さなサークルであるため、ギターミニコンサートと名付けている。
従って、大きなホールではなく公民館の会議室で数十名の聴衆を想定した文字通りミニコンサートである。
内容は、全員合奏、ソロ演奏、二重奏の三部構成で、二時間弱である。
私は、ソロ演奏は、学生時代から、ソル作曲の「モーツァルトの魔笛による変奏曲」と「グランソロ」は生涯を通じて弾きこなすことを目標に努力を重ねてきたが、昭和56年に突然右指薬指にマヒが発症したため、一時的にギターをあきらめたことは、すでにこのホームページでも記載済みである。その後、アントニオ古賀氏のアドバイスに出会い、動く指の範囲でギターを再開し現在に至る。したがって、それなりのソロ演奏と二重奏曲を毎年発表してきたが、二重奏では、ソル作曲の「アンクラージュマン」だけは、生涯に一度だけでいいから発表してみたい曲だったので、指導の三本木先生にパート相手をお願いして、2016年に曲がりなりにも実現できたことは、最大の喜びであった。
それ以降は、特に目標もなくおつきあいの発表を続けてきたが、今年、齢81歳を迎え、いよいよ今回が最後の発表になるのではないかとの、漠然とした予感みたいなモノが感じられた。そこで選んだ曲は、二重奏曲としては、私が大学に入学して初めて取り組んだ曲「マッチ売りの少女」そして、ソロ曲は大学2年時に始めて人前で演奏したレニアーニ作曲「ラ.マズルカ」であった。原点に戻って終止符を打ちたかったからである。それだけでは寂しいので、ユーチューブでギター二重奏を検索すると、「紫陽花」が流行しているようなので、楽譜をネットで購入して、同僚の薄井氏にお願いして発表を行った。「紫陽花」は静かな曲であるが、他の二曲は軽快な曲なので、できるだけ楽しく演奏できるよう、ノリノリで表現することにつとめた。その結果、いつも緊張のあまり、途中で指が震えてしまい弦に指が触れることさえままならない事がしばしばであったものだったが、今回は、少々のミスも気にならなく演奏自体を楽しむことができたような気がする。
そして、最後の演目、全員合奏曲「ファンダンゴ」最大の難曲で、正確に演奏使用とするとテンポが保てなく、テンポを守ると指がついていかない。したがって、練習中も何回も私が皆さんの足を引っ張る事態が解決できないまま本番を迎えてしまった。先生としては、途中一部やり直しまで覚悟していた様子であったが、滞りなくしかもこれまで一番楽しく演奏できたような気がした。演奏会後の先生の講評でも“最高の演奏会であった”の言葉を頂くことができた。やはりこの曲はノリが大切だとのことであった。私としては、その前のノリノリで楽しく演奏するという気分が残っていたことが幸いしたような気がした。
今回の演奏会でギター演奏の別の一面を理解できた様な気がするので、これからは、上達することより楽しく演奏するよう心がけていきたいと考えている。