ウクライナ紛争で見えてきたこと

紛争が泥沼化の様相を呈してきた。昨日3回目の交渉が行われたが、引き続き今日も交渉を継続するとのこと。

2回目の交渉に参加していたウクライナ側の交渉団のうちの一人が銃殺されたとのこと。たぶんロシア側のスパイと見なされたのかどうか何も明らかにされていない。

ロシアでは、政権中枢の8名が解任され、1名は自宅軟禁されたと報道があった。理由はやはり明かされていない。

以上の事実が、この紛争が泥沼化していることの原因になっているような気がしてならない。すなわち、ウクライナ側の交渉団の一人が銃殺されず、ロシアの8名の解任がなければ、紛争は数日で終わっていたと考えるのが妥当だということだ。

事実、ウクライナ制圧完了後に発表予定であった声明文の原稿が漏れてしまった。二日間で軍事作戦は終える予定であったらしい。ということは、解任されたロシアの8名はその作戦の立案に関わっていた責任をとらされたと考えることができる。そんなずさんな計画がなぜ実行に移されたかは、短慮であったのではなく、おそらく、ウクライナ側から、クリミア半島編入時と同様、ほとんど抵抗がないとの確かな情報があったためと推測される。その情報はウクライナの中枢部からもたらされたはずだ。そうでなければ、信じられるはずがない。

一方、ウクライナ側は、当初、ロシアの軍事侵攻なんてあるはずはないと、きわめて楽観的態度に終始していた。今から考えれば、軍事侵攻を食い止める準備など一切できておりませんという、おびき寄せ作戦だったということだ。さらには、225日にネオナチ軍団による、ドンバス地域のロシア人住民の大量虐殺情報を、ひそかに流していたことが、後に明きらかになった。それにだまされて、224日に軍事侵攻を開始したのかもしれない。

軍事侵攻が開始されるやいなや、ゼレンスキーウクライナ大統領は徹底抗戦呼びかけ、支持率も41%から91%に急上昇した。そして、戦争準備ができていないどころか、善戦しており、最初の数日以降ほとんどロシア軍を食い止めている。これらのことはあまりにできすぎていないだろうか。誰かの筋書き通りという様相を呈している。その筋書きの作者の目的は、ロシアの軍事侵攻と戦争長期化、そしてできることなら、ロシア経済の破綻ということだろうことは、容易に想像がつく。そして、それを予言するバイデンアメリカ大統領の発言は、予定原稿の丸読みで、とてもじゃないが、邪悪な世界の悪と戦う世界のリーダーとはほど遠い。

戦争長期化は世界中に不幸をばらまくことであるが、ただひとつ、それにより利益を得るのは、軍需産業だけである。対戦車砲撃の新兵器ジャベリンは一発2000万円するという。

このように見てくると、ウクライナの停戦交渉団の一人が銃殺されたのは、本当に休戦のための交渉をしてしまったからだとも推察される。

いずれにしても、事ここに至っては、プーチン氏の失脚か、ロシア経済の破綻しかない。

プーチン氏失脚すれば、ロシア経済立て直しと称し、ロシアの、原油、ガス事業に欧米資本食い込みが待っている。

それにしても、冷徹なプーチン氏がなぜ、欧米資本の策略に乗せられてしまったのか、哀れでならない。クリミア半島編入成功から仕組まれていたと考えるべきだろう。

それが今になったのは、トランプ政権の16年から20年までは手を出せなかったということだろう。