わかったゴルフスイング

20年以上におよぶゴルフイップス病のため、トップからダウンスイングに移るタイミングで、耐えられないほどの違和感があり、その違和感に打ち勝ってダウンスイングを行うには、異常なほどのオーバースイングと極度な早打ちをしなければならず、その結果、メチャメチャなスイングになり、打球もほとんど、コキッという音とともにゴロかシャンクかヒッカケとなり、とてもじゃないがゴルフにならない。それでもゴルフを続けてきたのは、天気の良い日に、いろんな人と和気あいあいと、適度な運動で一日を楽しめるゴルフは、内容、スコアにこだわらなければ、楽しさに満ちた遊びだからである。

イップス病になるまでは、スコアも90以上のことはまれなほど安定していたのだが、ここ20年以上100を切ったことはほとんどない。

練習場でなんとか改善策を見いだそうと、練習をかさねたものの、コース本番ほどでなくても、ほとんどコキッという音のちびり玉で、打球感の悪さといったらない。原因はわかっている、アッパーブロウ打球であり、ダウンブローにビュンと振れていないのだ。

それでは、立つ位置を変えるなどして、ボールの先に最下点が来るようにスイングすればよいようなものだが、ボールを打つという意識がある限り、ボールの直前で最下点を迎えてしまう。その結果、コキッという音とともに、アッパーブロウで、弱々しい打球となってしまう。

それが、最近改善策らしきものに出会った。「週刊パー.ゴルフ」10月29日号で、ジョージ.ルーカススイング理論である。バックスイングでは、手に持ったボトルの水を前にこぼすように、そしてダウン時には後ろにこぼすようなイメージを持つスイングであった。

ボールを狙ってダウンスイングを開始すると、必ずクラブフェースをボールに向けて意識する結果、アウトサイドインのスイングになってしまうのが、ダウン開始時に後方へクラブを倒すことにより、あとはビュンと全身を使ってスイングすることができ、ボールをスイングの通過点で捕らえられることになり、結果的にダウンブロースイングが実現できる。打球音もコキッではなく本来のパスッとまことに快い。

このスイングの肝は、ボールを狙う意識をどれだけ解き放てるかにかかっている。トップでクラブヘッドをボールに向かうのではなく、それとは逆の後方へ倒すことにより、ボールを打ちにゆくスイングではなく、単に全力でスイングすることに徹することができるかどうかにかかっている。

このスイングが身につけば、ゴルフの楽しみが、付随的なものばかりでなく、それ自体を楽しめることが必定で、期待でいっぱいである。