再び腰痛について

 

 今から15年ほど前に、腰痛に悩まされ整形外科病院で診断をうけたところ、椎間板は薄くなってはいるものの、特に異常はないということで、湿布薬と鎮痛薬を処方されたが、気休めでしかなかった。

これは腰痛体操などで、自分で治すしかないと言うことで、いろいろ研究していた頃、当時ジャンボ尾崎がフェニックスオープンで並み居る外国の一流選手を出し抜いて、二位に8打差を付けてぶっちぎり優勝したことがあった。

そのときの優勝を報じるゴルフ週刊誌に、ジャンボ尾崎が最近取り入れているというトレーニング法が紹介されていた。それがPNFProceptive Neuro-muscler Fucilitation)で、それ以来毎朝起床時に実施してきた結果、開始してから数ヶ月後には、痛みからは解放された。その後も予防のために実施していたが、このたび再び腰痛にみまわれた。

しかし、今回は腰というよりは、尻のえくぼのあたりの神経痛と太ももから足の裏に至るまでのしびれで、前回の筋の痛みとは全く異なるため、再び整形外科の診断を受けたところ、「脊柱管狭窄症」だという。原因は椎間板が加齢によりすり減ってしまい、椎骨が直にこすれるため、骨が出っ張ってきて脊柱管のなかの神経を圧迫するために起きる物で、レントゲン、MRIでも明らかに確認できるものであった。

みのもんたが同じ症状で骨を削る手術を行って快癒したとは聴いたものの、必ずしも成功するものでもないとは医者の言である。したがって、医者としてはあらゆる手を尽くして、それでもだめだったら手術は最後の手段だと言うことであった。そこで、ブロック注射や鎮痛剤を処方され一ヶ月ほど経過しても、何の改善も見られなかった。

そんな折に、姉が心配してくれて、「壮快」という雑誌に掲載されていた、マッケンジー体操の記事のコピーとDVDを送ってくれた。その手法とは脊柱管狭窄症は背骨をそらす動作はだめだと言われるが、それは逆で、背骨をそらす運動こそが改善に有効だという。そこで早速実施してみると、その日の夕方にはほとんど歩くことさえできなくなってしまった。

そこで私は考えた。体操によって悪化することがということは、体操のやり方によっては改善の方法もあるということを証明している。そこで、インターネットで腰痛対策をいろいろ調べてみたところ、脊柱管狭窄症で私と同様、脊椎骨が脊柱管に完全に食い込むほど圧迫していても、痛みを発症しない人もいるという。それは、脊柱管はぐにゃぐにゃの柔らかいものであるためであり、痛みを発するのは圧迫そのものではなく、派生的に生じる血流の阻害や筋肉の硬化だという。

西洋医学では、レントゲンやMRIで診断すればその圧迫現象しか見ることができないが、ひどく変形するほど圧迫されていても痛みを生じないこともまれではないという。

その点について説明している情報に行き当たった。それは、仙骨と座骨を繋ぐ関節があるがそれの歪みが原因だという説である。その歪みを修整するには、ゴムバンドを座骨に巻いて、腰を揺する運動が最適だというのである。そのゴムを求めて、ホームセンターを探したところ、ホース売り場の上の棚に整体用のゴムチューブを見つけた。やはりわたし意外にも求める人がいるのだ。早速それを求めて、半信半疑ながら実施していたところ、一ヶ月くらい経過した頃、何となく改善してきた感覚があり、それまで、趣味の社交ダンスでも2曲連続しては踊れなかったのが、試しに連続で踊ってみたところ、何とか我慢できる程度まで改善していた。さらに、日々快方に向かい、1ヶ月後にはほとんどの痛みとしびれが消えた。

これが本当にゴムバンドの効用なのかは定かではない。というのは他にもリハビリ体操をいろいろ工夫して実施しているからである。たとえば、四つん這いになって片足ずつ交互に後方へ伸ばす運動だが、これは病院のリハビリ体操で指導された物だったが、しばらくサボっていたものを復活してみたが、復活した日は痛くて仕方なかったのが、数日後にはその痛みは消えていたのである。

その他にもいくつかのストレッチ体操を実施しているが、そのどれが効果があったのかはわからない。しかし、確実に改善に向かっている。この病の経験者に聴くと、痛みはずっと続く物ではなく、波があるという。その波がやってきたのかもしれない。

以下に私が現在取り入れている腰痛対策リハビリ体操を紹介してみたい。

1.      仰向けの状態で両足を伸ばして軽く開き、足先を外側に向け、片足ずつ交互に本のページをめくるように、骨盤を開く体操を10回行う。

2.      両足を前に伸ばして座り、片足ずつ足先を両手で持ち、腹の位置まで引き上げる体操を10回行う。

3.      足の裏を合わせて座り、背筋を伸ばしたまま前屈するストレッチを5分間ほどの時間をかけて行う。屈伸運動ではなく単に腰の筋をのばすように行うが、そのときに筋が伸びて気持ちが良いという気持ちを持ちながら行うと、より効果的で、数分後には頭が腿に額がつくほどまで曲がり、驚くほどである。

4.      四つん這いになり、背中を丸める意識を持ちながら、片足ずつ後方へかかとを突き出すようなストレッチを静かな動作で行う。(これが一番効果的であったような気がする)

5.      ぶら下がりを1分間ほど行う。

6.      腰の骨盤のでっぱりからこぶし一つ下の位置にゴムバンドを巻き、腹の下に座布団を丸めておき、その上でゴロンゴロンと2分間ほど腰をゆする。

7.      普段から腰のゴムバンドはそのままに、時々腰を回す運動を左右行う。

以上の体操の目的は、その内容を見るとわかるとおり、骨盤と仙骨を結ぶ関節を正常になるようにするとともに、周囲の筋肉のストレッチでやわらくして、同時に筋肉を強化することにつきるようである。