陰謀論

マスコミが報じない不都合な内容はネットで容易に検索できる時代になった。昔は、よく言われる大本営発表のように、政府が発する内容を新聞ラジオを通じて知ることしかできなかったが、現代では、正式な通信会社でなくても、誰でも発信できるし、誰でも自由にその情報を受けることが可能になった。ただし、あまりにたくさんの情報があふれているため何が真実なのかの判断がきわめて困難な実態もある。

たとえば、さきのアメリカ大統領選の際、選挙不正があり、トランプ前大統領が圧勝していたにもかかわらず、敗北に至ったとか、911テロは本当はやらせで、航空機はビルに突っ込んだのはCG画像で、ビルの倒壊は内部に事前に仕掛けられた爆薬によるものだったとか、最近では、コロナウイルスは人口削減のために人工的に作り出されたウイルスであり、そのワクチンもエイズウイルスのように、免疫不全症を招く恐れがあるなど、それが事実ならとんでもない混乱を生むものも多い。それに対し、ユウチューブとかツイッター、フェイスブックなどは、社会的に混乱を招く陰謀論だとして、削除するようになってきた。トランプ前大統領のツイッターがアカウント停止となり、発信できなくなっている。

こんなことでは、言論弾圧そのものであり、極端なはなし、大本営発表以外はすべて削除も可能ということになる。

そこで、トランプ大統領をトラさんと言ったり、コロナを567と表現したりして、発信者は検閲に引っかからないように工夫しているのが実態だ。

先日、こんなことがあった。28日にフランスの、エイズウイルスを発見したとして、ノーベル生理学賞を受賞したリュックモンタニエ博士が死亡したことを報じたユーチューブ動画が4日後に削除された。生前博士は、コロナウイルスが人工のものだとか、ワクチンはエイズウイルス感染症と似た症状だとかを発信していたことが、検閲の対象になったようであった。それを報じたユーチューバーも検閲の対象になることを恐れて、モンタニエ博士を紋多似絵博士と表現していたが、かなわなかったようである。そのユーチューバーは結局2週間の停止と90日間の観察処分を受けたことを、他のチャンネルで説明していた。しかし、生前の博士の主張も死亡も事実であり、多くの新聞でそれらは報じられている。しかしそれらはすべて、何の根拠もなくとか、科学的でない主張で学会の権威を失墜させたという説明がかならず付随していた。要するにそれを省いたため検閲に引っかかったのであろう。しかし、新聞記者が、何の根拠もなくとか、科学的でない主張と決めつけて報じることが果たして真実と言えるだろうか。

こんなことがあると、陰謀論と言われる方にむしろ説得力を感じてしまう。さらに言えば、死亡原因は不明とされているのにも、裏を感じてしまう。

このように、陰謀論といわれるものに多くのネット配信があるが、それらをたくさん見てゆくと、真実はおのずから浮かび上がってくる。以前、ベリングキャットがロシアの反プーチン政権のワリヌワイ氏の毒殺未遂事件にロシアが政権が関わっていたことを暴いたことを紹介したが、あれも、すべてネット情報を分析して暴いたとして有名になった。

以上のように、陰謀論も誰かが陰謀論と言ったからでなく、何が真実かは自分自身で判断が求められる時代のようである。

そのように考えると、さきのアメリカ大統領選不正も、911テロやらせ説も陰謀論に真実があるように思えてならない。

もしそうだったとしたら、絶望しかない。だから是非それらは陰謀論であってほしいと願わずにいられない。そのためには、マスコミ報道のみを信じ、決してそれ以外の情報に、接しないようにするしかない。大本営発表以外の情報は知ると疑念が生まれるから、避けるしかないが、事実報道以外は排除できても、事実報道のみをつなぎ合わせてゆくと、大本営発表に疑念を生じてしまうことは、陰謀論に毒されているといことになるのだろうか。たとえば、センタービルに航空機が突入したという映像が実際に突入した時刻より8分前に報道されたミスがあったとか、バイデン大統領就任式典の日は、曇天であったにもかかわらず、世界に報道された式典は快晴であったとか。8分の誤差とか、天候なんてどうでもいいではないかとも言われそうではあるがーー。真実というものは、小さな事実の積み重ねであることもまた事実である。

このたびのウクライナへのロシア侵攻も、もっぱら無理難題を突きつけて、軍事力で他国を侵すことは絶対に許されないという報道ばかりであるが、凶暴なネオナチ軍団、アゾフ大隊の実態を報じる情報がきわめて少ない。ミンスク合意がなぜ守られなかったのか、ほとんど報道がない。情報戦で完全に遅れをとっている。その結果、プーチン大統領は精神を病んで、誰しも不合理と思われる軍事作戦を開始したのではないかとの報道が世界に拡散した。太平洋戦争で、真珠湾攻撃に踏み込まざるを得なかった日本を思い出さずにはいられない。きわめて悲惨な結果が待っている。