モンタニエ博士の死

28日、フランスのウイルス研究学者のリュック.モンタニエ氏が死去したことがフランスメディアで報じられ、日本でも地方紙でいくつか報じられたようだが、大手では「日経」の電子版がとりあげた程度の扱いであった。89歳で死因は不明とのことであった。

氏は、エイズウイルスの発見者でノーベル生理学賞を受賞した著名な学者であったが、報道によると、その偉大な業績にもかかわらず、最近は「根拠のないワクチン反対論を唱え、学会の権威失った。また、新型コロナウルスにも誤った発言をした」と、あった。

その反対論がどのようなものであったかを解説していたユーチューブ動画を発見した。それによると、今回新型コロナワクチンを繰り返すと、エイズウイルスに感染したと同様に免疫不全症に陥る危険性を発信していたとのこと。しかし、その動画は214日午後には削除されてしまって、現在は確認できないので、ネットで検索してみるとどうやら事実らしい。その動画の発信者もバンされることを恐れて、モンタニエ氏とカタカナ表示ではなく、漢字の当て字で表現していたが、だめだったようだ。氏は、そのほか、新型コロナウイルスは人工のものだとか、ワクチン接種後2年以内には死亡するなどの警告を発していたようであった。

ネットでは氏の死を悼む記事も多いが、報道各紙は必ず、科学的ではない、とか根拠なくとか、誤った発言とかの否定的な表現が必ずついている。

しかし考えてみれば、ノーベル賞を受賞した学者が発する警告を、科学的でない、根拠ない、誤った発言などと決めつける報道こそ、単なる決めつけではないだろうか。また、すべての報道が、死因を不明の一言で片付け、それについて触れる記事が皆無であることも、気になる。

そこで、自分自身で実態はどうなのかを確認してみようと思い、ワクチン接種が一番進んでいるイスラエルの状況を調べて見た。

すると、3回目接種が55%にも及ぶが、新型コロナウイルス感染による死亡者数が爆発的に増加していることが判明した。オミクロン株は感染拡大は仕方ないが、その症状は軽く、死亡者数は大幅に減少するはずであるにもかかわらずにである。このことは、新型コロナウイルス感染の重篤化による死亡と言うより、ワクチン接種から2年経過とか、ワクチン3回接種による自己免疫力低下による持病の悪化ととらえるべきかもしれない。モンタニエ氏が指摘する警告の影響が懸念される。

日本でも、前稿の「超過死亡者数の増加」で指摘したように、昨年9月時点で6万人もの超過死亡者数が発生した。今年、3回接種はまだ10%程度であるが、これがイスラエルのように50%以上になったら、超過死亡者がどれほどになるか、きわめて危惧される。