解ったゴルフスイング

前回、「わかったゴルフスイング」を書いて、また同じ題名で書くことに、忸怩たるたるものがあるが、前回は、技術面で、今回はそれを実現する心の問題と捉えていただきたい。

ゴルフをたしなむ者は誰しも、開眼したと思っても、それは一時の改善であり、さらなる悩みに突き当たり、永遠にその繰り返しだということを知っている。かく言う私もこれまでの開眼の数は、数えてはいないが、おそらく数十回におよぶことは間違いない。

ところが、今回の開眼は一ヶ月以上暑さのために、ゴルフから遠ざかっていたが、今日、練習場で、その正しさが再確認できたことは、今まで開眼とは異なることが判明した。

ゴルフスイングというものは、やろうとしてもできないのが普通で、それどころか、やろうとしたことの逆の結果を招くことが多い。たとえば、池越えの場合、池に落とすまいとして、高く打ち上げようとすると、逆に一直線に池に打ち込んでしまうことは、誰しも経験することである。それほどに、スイングは精神状態に影響を受けるものなのだ。

今回その心の問題を解明してくれたのは、三嘴喜一プロのユーチューブレッスン番組であった。生徒に、現役最年長プロである下川めぐみプロを迎えてのレッスンであった。

下川めぐみプロも多くのレッスンを発信しており、かねがね、いいフォームだと感心していたのだったが、彼女自身が本来の打球感がないとして、相談に訪れたのだという。

それに対しての処方箋は、バックスイングからダウンスイングの動きは左回転ではなく、右回転で行いなさいということであった。

バックスイングトップからダウンスイングに向かうとき、ボールに向かって振り下ろすのであるから、どうしても上げていった軌道より内側、すなわち左回転になっているのだという。ゆっくりバックスイングしてダウンスイングは力一杯するから、どんなに同じ軌道を振り下ろそうとしても、どうしても内側軌道すなわち左回転になってしまう。

下川プロのスイングもきわめて同じ軌道の様で有りながら、スローでみるとやはり若干内側軌道であった。そして、左回転ではなく右回転でとの注意で、何球かかの後に初めて快心の打球感が得られたといって喜んでいた。

そういえば、私がスイングイップス病になったのも、トップの位置から、振り下ろそうとするとヘッドがかぶってしまう感じがあり、怖くてスイングできなくなったのがはじまりであった。素振りなら、ボールに向けてスイングする必要がないから、気持ちよくスイングできる。素振りのようにスイングしなさいとよく言われるが、ボールに当てようとする限り、内側すなわち左回転になってしまうのであった。一言で言うとアウトサイドインのスイング軌道である。それをインサイドアウトにスイングしようとしても、軌道がインサイドアウトでも左回転のインサイドアウトでは、打球方向は変わっても正しい打球感は得られない。

それでも最近は、ネットで、シャロースイングというのが人気であるが、これもトップからダウンスイングに向かうとき、一時、クラブを後方に倒すというのであり、強引に右回転を実現しようという方法のようであるが、練習場ではできても、本番ではなかなかタイミングをとるのが難しい。しかし、効果は同じである。

しかし、ゴルフスイングは一連の流れで行われるべきであり、途中で何らかの操作は必ずテンポの乱れを招きミスショットにつながる。

そこでただ単に右回転だけを意識してスイングすると、結果的にインサイドアウトに、左腕も内転しながらスイングが実現できる。

練習場で確認すると、ほとんどの人が、若干のアウトサイドインすなわち左回転スイングであった。中でも特別うまい人はやはり、一瞬後方へダウンスイングを開始するような動きをしている、これは右回転スイングを実現している証左であろう。

私は、おかげさまでゴルフを始めて、ゴルフスイングはこうだったのかを理解できたので、氏のレッスンユーチューブ番組、“プロのように打ちたいならこのレッスンビデオを見てください”という番組にコメントとして、“ありがとうございました。50年来の悩みが解決しました。”と投稿しました。