山口2歳児童不明騒動

 

8月12日、山口県周防大島町で起きた、2歳児童不明事件は、3日間に渡る150人にも上る捜索活動にも関わらず、発見されなかったが、ボランティアの小畠 春夫さん(78歳)が3日後の朝、警察の捜査活動を開始する30分前に、単独で捜索を開始して、その30分後には発見に至っている。その方は、捜索開始する前に、母親に対して、必ず探してあげますと約束をしているという。

この顛末に対し、日本中が、ボランティアのお手柄を賞賛する声で盛り上がった。その方の、独特な、人生哲学や、行動原理を含めて、その話題は、マスコミ、ネットを独占していた。

そのほとんどを目にした私は、この事件を私と同じ観点でみていた人は、皆無であることがわかり、どうしてもここで訴えておきたいと思った次第である。

誘拐、神隠し、天狗の仕業、はては猛禽類の仕業まで、トンデモ推測ではなく、その逆の、地元警察の捜索のやりかたである。

連日150人も動員して捜索しながら、なぜ、発見できなかったかである。しかも、不明発生箇所からわずか590メートルの地点で発見されている。150人も動員していながら、わずか590メートル先の山道は捜索していなかった。藪の中だったり、何キロも先だったら少しは理解できるが、山道だけは、そんな山道をたどるはずがないと判断したかどうかは分からないが、とにかく捜索は行われていない。

それを知っていたボランティアの方は、最初から山道の捜索を開始している。警察の開始の30分ほど前だったというのは、おそらく、警察の開始に協力すると、警察の指示に従わざるを得ず、山道は捜索不要と指示を得ただろうことは、容易に想像がつく。それを嫌ったその方は、単独で捜索を開始した。その裏には、過去に経験した不明児童捜索から、子供は、必ず登り道をたどるという信念があったからだという。その結果、開始から30分後には、山道からそれた脇道の直ぐ下の谷川で発見された。

この結果、そのボランティア方のすごさを、識者もしきりに賞賛していたが、はたしてそんなにすごいことなのだろうか。

捜索開始した時点で、子供が歩く距離以内のすべての道路を捜索するのが当たり前ではないか。捜索人数も150人もいれば、いともたやすいことだ。

それが、なぜできなかったかである。

おそらく警察上層部が、捜索範囲を指示しており、その範囲から山道は除外していた可能性がある。子供が山道をたどるはずがないという理由で。もし、逃走犯人の捜索だったら、まず第一に、山を捜索範囲に指定していただろう。捜索範囲を想定することは重要かもしれないが、しらみつぶしと言う言葉があるように、既成概念から、ある部分を除くということはあってはならない。

それにしても、150人もの人が、単に、指定範囲を言われるまま、捜索していただけで、誰も山道を捜索しようと考えなかったとは、わたしにはどうしても納得が行かず、ここで述べさせてもらった次第である。