森友学園問題の本質

 

森友学園の用地取得に際し、不当に安い値段で国有地を売り渡したとして、昨年2月から、国会で野党から追及を受け、それに対し、安倍首相は、「もし、自分または妻が関与していたならば、首相も議員も辞する」と全面的に疑惑を否定していたが、世間一般には、安倍昭恵夫人に忖度して、安値で払い下げたことは、衆知の域に達していた。その証拠に、昨年の流行語大賞に「忖度」が選ばれた。

ここまでは、まあ、良いことではないが、しょうがないという程度の問題であった。

国家に損害を与えたというが、もともとこの土地は、埋設ゴミが多かったため、払い下げにはゴミ撤去など特殊な条件を伴うため、公的な用途に役立つならと、格安に払い下げが検討されていた。

隣接の用地は、地元豊中市には、14億円相当の国有地を、公園用地として、ほぼ0円で、また、豊中市の給食センター用地として、14億円相当の国有地を2000万円程度で払い下げている。森友学園の15000万円と比較して、さらに格安であるが、野党もマスコミもほとんど問題にしていない。

いずれも公的な用途であり、政治家への忖度はないことが明確だからであろうが、国家に損害を与えたという点では同様であるはずなのに、不思議であるが、目的が安倍首相たたきであるならば、納得出来ないこともない。

以上のことから、佐山理財局長の、一切の政治家の関与はなかった、交渉記録はすべて廃棄したとの国会答弁を聴いても、そこまでシラをきらなくてもと思いつつも、解散総選挙も乗り越えて、これで官邸も一安心といったところであっただろう。

しかし、この3月、交渉記録が、書き換えられていたという事実が明らかになり、様相が一変した。

佐山局長の国会答弁に合わせるために、すべての政治家の名前を記録から削除していたのだ。

また、その文書書き換えに携わった職員が自殺してしまった。

これを見つけたのは、大阪地検の特捜部であった。パソコンで削除上書きしても、その元のデータを復元する技術を使ったのだ。デジタルフォレンジック(DF)という技術だそうである。

決裁文書を改ざんする行為は許されない。まさか、ばれるとは予想もしていなかっただろう。

それにしては、国交省には、改ざん前の文書が渡されており、隠しおうせるはずもないのだが。

国会答弁でシラをきったりするのは、時によっては必要かもしれないが、決裁文書を改ざんする行為だけは許されない。問題の本質はそこにある。

政治家の意向を忖度することも、悪いことではない。そもそも、忖度とは日本人の美徳であるはずである。ただし、法に反してはならないし、ましてや、決裁文書を改ざんなどもってのほかである。

それをもし、政治家、例え総理大臣が指示したとしても、断固拒否するのが官庁であろう。

森友学園問題は、補助金詐欺の疑いもあるが、法に反する行為は断固罰せられねばならない。

政治家への忖度など法に反したわけでもなく、所詮週刊誌ネタ程度の問題なのだが、それのみが追求されることに違和感を持っている国民も多いだろうが、決裁文書の改ざんだけは許されない。